ヌチグスイ-命薬-
沖縄には昔から「ヌチグスイ(命薬)」という言葉があります。
薬になるくらい美味しい食事をいただいたとき、
青い空や海、美しい花々を見たとき、
心身共に癒しを感じる場面で感謝の気持ちを込めて
「ヌチグスイになりました」と言うのです。
沖縄では「ヌチグスイ」となる食文化が伝承されており、
地域の豊かな旬の食材を体調や症状に合わせて
日々の食事に取入れ、健康を維持して来ました。
私たちの身近には昔から
スーパーフードと呼ぶにふさわしい食材があったのです。
沖縄スーパーフードはみなさまの
「ヌチグスイ」でありたいと考えています。
海の恵
琉球列島はサンゴ礁の島々です。サンゴ礁が防波堤となり。波が穏やかとなる事から様々な生物が集まる海となり、海藻の養殖に適した環境となっています。
また、大陸からの川や海流によって堆積した土壌や、太古の珊瑚からなる琉球石灰岩の風化などでできたミネラル分たっぷりの土壌で育てられた沖縄の農産物はミネラル分とカルシウムが豊富だと言われています。
太陽の恵
沖縄の亜熱帯の気候で育つ農作物には、色鮮やかなものが多く見られます。このような植物の色素は強い紫外線を吸収しないよう、身を守るために生み出された成分で、抗酸化力があると言われています。
沖縄の野菜や果物には抗酸化作用があると言われるビタミンCを始め、カリウム、マグネシウム、葉酸が多く含まれることがわかっています。
発酵の力
高温多湿な沖縄の気候では植物はすぐに腐ってしまい、そのままでは保存することができませんでした。長い期間保存する為に生み出された技が発酵です。
一年中暖かくて湿度が高い沖縄は、微生物にとって喜ばしい環境であり、様々な麹菌での発酵食品が生まれました。
伝統の力
沖縄では古くから食は「クムイスン(薬)」とされ、日常的に野菜や海草、豆腐などを多く摂ることが定着していました。沖縄の伝統的な料理はカツオ節をはじめ、出汁の旨味を上手に使ったナトリウム量が少ない調理が特徴です。
抗酸化物質を多く含む沖縄料理をふんだんに使い、出汁や発酵食品の旨味で調味をする沖縄の伝統食は健康食そのものでした。ある種の栄養素が高いからといって一種類の食材だけを食べるという考えはここにはありません。食事は組み合わせてこそクムイスンなのです。